「ゲーム手当」などの独自制度あり。GameWithの働き方とカルチャー

新しい働き方や独自のカルチャーで注目を浴びる企業にお話を伺っていくこの企画。今回は、「ゲームをより楽しめる世界を創る」というミッションを掲げ、さまざまなゲーム関連事業を展開する株式会社GameWith(ゲームウィズ)に取材させていただきました。

株式会社GameWithとは

「ゲームメディア事業」としてスタートした株式会社GameWithは、今ではeスポーツやNFTゲームなどに事業を拡大し、成長を続けています。2020年3月からは業務のフルリモート化へと大きく舵を切り、今ではリモートワーク分野における先進企業としても、注目を浴びる存在となっています。

会社名 株式会社GameWith
住所 東京都港区三田一丁目4番1号 住友不動産麻布十番ビル4階
事業内容 ゲーム情報等の提供を行うメディア事業およびeスポーツ・エンタメ事業、ならびにゲームに関連する新規事業
設立 2013年6月
公式ページ https://gamewith.co.jp/

「ゲームをより楽しめる世界を創る」というミッションと、「世界のゲームインフラになる」というビジョンの実現に向けて邁進している株式会社GameWith。この二つに通じる事業をさらに拡大することで「ゲームを楽しむことに関わる全ての人たちのインフラのような存在」を目指しているという同社に、働き方や福利厚生、そして人事評価制度などについてお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社GameWithの人事部長・郷さん

株式会社GameWith
人事部長

郷さん

ゲーム攻略サイトから多角的なゲーム事業会社へ変貌

ゲームメディア「GameWith」のサービス紹介画像
▲当初はゲームの攻略サイトというイメージが強かったが、今では各種ゲーム事業に多角化している

編集部

本日はよろしくお願いいたします。まずは事業内容からお教えいただけますでしょうか。

郷さん

GameWithの事業内容はゲーム情報の提供を行う「メディア事業」、そして「eスポーツ・エンタメ事業」、さらにはNFT事業(※)・光回線事業などの「新規事業」の、大きく三つにセグメント化しています。
(※)NFTはブロックチェーンを基盤に作成された替えがきかない性質のデジタルデータを指す。近年はその技術を利用したゲームも登場している。

当社はゲームの攻略サイトの会社というイメージが強いかもしれないのですが、2019年の東証一部上場の頃から事業を多角化しており、現在はグループ会社が5社あります。プロeスポーツチームDetonatioN FocusMeの運営や、eスポーツ関連のイベント運営、NFTゲームの開発・運営、NFTゲームメディア、光回線など幅広く事業を展開しています。

「ゲームをより楽しめる世界を創る」というミッションと、「世界のゲームインフラになる」というビジョンに通じる事業であれば、今後とも積極的に取り組んでいきます。将来的にはミッションとビジョンに通じる事業をさらに拡大することで「ゲームを楽しむことに関わる全ての人たちのインフラのような存在」を目指しています。

■GameWithさんの企業理念(MVV:ミッション・ビジョン・バリュー)
ミッション「ゲームをより楽しめる世界を創る」
ビジョン「世界のゲームインフラになる」
バリュー
「Best Effort,for Customer/顧客に最高のサービスを届けるための努力を怠らないようにしよう」
「Be Honest “TAIGI”Driven/誠実かつ大義ある仕事をしよう」
「Think Why,Change the Rule/既成概念に囚われることなく、ルールや背景の理由を考えよう。そして、必要であればより良いものへと作り変えよう」
※GameWithさんの「会社紹介資料」(https://recruit.gamewith.co.jp/)から引用

基本はフルリモート。地方在住のメンバーも増加中

2021年3月に新コンセプトでオープンした株式会社GameWithの麻布十番オフィス
▲2021年3月にオープンした麻布十番オフィス。リモートワーク中心だが出社も可能

編集部

次に、働き方について伺います。御社は2020年3月から原則リモートワークに移行されましたが、現状ではどれぐらいの出社率になのでしょうか?

郷さん

現状、90%ぐらいのメンバーは月に1回出社するかしないかというくらい出社率は低くなっています。残りの10%は人事や労務などの管理部門、また動画撮影やグッズ制作などを担当する部署で、出社が必要なメンバーは週1回から2回程度オフィスに来ています。

編集部

約9割の方がフルリモートということですが、ではメンバーの方たちの居住地は東京近郊だけではなく、全国に広がっているのですか?

郷さん

2020年3月から切り替えたところなので、現状では関東在住のメンバーが多いですね。それでも北海道や大阪、名古屋に住んでいるメンバーもいますので、着実に全国に散らばり始めています。もちろん職種によるのですが、基本的には居住地にはまったくこだわらずに採用しています。

職種によって異なる3つの勤務体系

株式会社GameWithの麻布十番オフィス内観

編集部

勤務体系については、どのように設定されていますか?

郷さん

職種や業務に合わせた3種類の勤務体系から適用される形となっています。例えば、実際の労働時間に関係なく契約時間分を働いたことにする「裁量労働制」は、エンジニアやメディアディレクターなど専門的なポジションにいる方を対象にした制度です。

また、動画の担当者やeスポーツ選手のマネジメントを担当しているメンバーなどは、始業時刻・終業時刻を自分で決定できる「フレックスタイム制(コアタイムなし)」が適用されます。

そして、外部との折衝が多いビジネス系のポジションや管理部門のメンバーなどは、10時から19時までの「基本勤務制」になるというように、勤務体系は部署職種によって決定されています。

編集部

多角的な事業展開をされているGameWithさんだからこそ、自分の業務内容にあわせた働き方ができるようにしているというわけですね。一つのルールに縛られない点は、求職者も魅力的に感じるのではないかと思います。

バーチャルオフィスも導入。コミュニケーションを活発化する工夫

株式会社GameWithが導入しているバーチャルオフィス「Gather」の画面
▲バーチャルオフィスGatherの導入で、コミュニケーションのさらなる円滑化を目指す

編集部

メンバーの9割がリモートワークだと、コミュニケーションをいかに円滑化するかが重要となりそうです。どのような工夫をされていますか?

郷さん

まず、コミュニケーションの量が極端に少なくならないようにしています。そのため、部署やグループにより詳細は異なりますが、ほとんどの部署が朝会・昼会・夕会などのデイリーで集まるような仕組みを設けています。

コミュニケーションツールはSlack、バーチャルオフィス、Google Meetが中心です。Slackではテキストメッセージのやり取りだけでなく、ハドルミーティング機能も活用しています。

各メンバーのコミュニケーションにおいては、いろいろな選択肢の中から業務内容や自身の性格などに合わせてツールを使い分けています。この選択肢の多さが、コミュニケーションをスムーズにさせている要因の一つだと思います。

社内報の配信から新入社員の自己紹介までSlackで実施

新入社員が自己紹介をしているSlackの画面
▲新入社員は入社1日目にSlackを通じた自己紹介をする

編集部

社内報などもSlack上で配信されているそうですね。

郷さん

はい。毎週配信しています。内容は各部署からのお知らせや簡単に答えられるクイズなどですね。それほど深い内容ではないのですが、会社からの全社に対するアナウンスを定期的に配信しています。

編集部

新しく入社されるメンバーは中途採用の方が大半だと思うのですが、この方たちの紹介などはどういった場面でやられているのですか。

郷さん

入社初日は1日かけてオンボーディングを実施しているのですが、午前中にSlackのセットアップが終わり次第、ご本人から自己紹介の投稿をしてもらっています。それに加えて、毎月1回全社員が出席する「全社会」でも、自己紹介の場を設けています。

「全社会」で情報共有と他部署との交流が可能に

編集部

「全社会」についての話題が出ましたが、これはどのようなイベントでしょうか。

郷さん

毎月月初に開催する全社員参加の会議で、各部署のトピックの発表や、新入社員紹介などを行っています。本当はバーチャルオフィスがいいのですが、人数の都合上バーチャルオフィスだと動作が重たくなるので、Zoomで開催しています。

全社会のプログラムの一つにシャッフルトークがあります。これは全社会の冒頭10~15分程を使い、ランダムに人を振り分けて小グループごとで雑談する企画です。メンバーには一人で黙々と作業をしている人も多いので、冒頭15分のシャッフルトークでまずは気持ちを高めてもらい、肩の力を抜いてもらってから、全社会の本編に移るというイメージです。

編集部

シャッフルして話す形式だと、普段は業務で関わらない部署のメンバーとも話すことができるので、その後の仕事にも良い影響がありそうですね。

本格的なゲーム大会を開催

株式会社GameWithのゲーム大会における実況放送の風景
▲半期の一度のゲーム大会は実況放送まで行う本格的なもの

編集部

GameWithさんでは、社内で本格的なゲーム大会を開催していると伺いました。これは本当でしょうか?

郷さん

本当なんです。ゲーム大会は全社会の拡大版という位置づけで開催しています。半年に1回の全社イベントでは、前期の振り返りと今期の意気込みを表明してもらうほか、年に1回のMVPの発表も行っています。ここまでは、いわゆる真面目な方のコンテンツですね。

ゲーム大会は、もともとオマケというか二次会的な位置づけだったのですが、気が付けばこちらが本番になってしまって(笑)。今では3時間ぐらいやっているんですよ。

社内にはeスポーツのイベント運営を担当するチームがありますので、オンライン対戦のシステム構築から配信までの仕組みを作ってくれます。それをYouTubeLIVEで配信しながらみんなで参加しており、勝者を予想することも楽しみになっています。

当初はもっと素人っぽいというか、社内だけのイベントという形でやっていたのですが、今はかなり本格的になってきています。

GameWithの懇親会は「お酒」の代わりに「ゲーム」

編集部

全社イベントは全体でどれぐらいの時間をかけているのですか。

郷さん

前回の場合、14時半から16時半までが全社会で、その後16時半からの3時間ぐらいがゲーム大会でした。

編集部

ゲーム大会が夜の部という感じですね。一般的な会社における飲みながらの懇親会が、御社ではゲーム大会に置き換わっているように感じます。

郷さん

そうですね。正確な数字かどうかはわかりませんが、当社はおそらく社員の90%以上がヘビーゲーマーなんです。リモートワーク中心なこともあって、飲み会をするよりもゲームをする方が、GameWithのカルチャーに合っているんだと思います。

編集部

まさにGameWithさんだからこそできるイベントですね。社員同士がゲームを通じてさらに絆を深めるだけでなく、動画配信を通じて自社のサービスやカルチャーを発信できるのもすばらしいと感じました。

メンバーの士気を高める年に一度のMVP表彰

株式会社GameWithの社内ミーティング風景

編集部

全社イベントで発表されるMVP表彰についてもお聞かせいただけるでしょうか。

郷さん

年1回、主に会社に優れた影響をもたらす成果を出したメンバーを表彰する制度です。ただ、評価軸としては数字だけを見て判断するわけではありません。例えば営業成績を見た場合、金額が大きいということもさることながら、前回の場合ですと、新規の回線事業をゼロイチで立ち上げ、しっかりと事業として成立させたメンバーが選ばれました。

その意味では単純に売上規模だけではなく、会社にとって新しい何かをもたらしたということも重視されますね。そういった部分も含めた総合的な判断を経て、最終的に選考会で決定するという流れです。

また、当社はさまざまな事業を展開していますので、部門別にMVP、ベストチーム賞、ベストコンテンツ賞、ルーキー賞、そしてベストサポート賞などがあります。ベストサポート賞は、MVPの受賞対象になりにくい管理部門を対象としたものです。個人だけでなくチームやコンテンツも対象となるので、部署関係なく誰にでもチャンスがあります。

プレイ時間が長いほど支給額が増える「ゲーム手当」

ゲームメディアGameWithのスマホの画面

編集部

GameWithさんの福利厚生制度のひとつとして「ゲーム手当」という制度があると伺いました。具体的にはどういう制度内容なのですか?

郷さん

部署などによって微妙に制度が違うのですが、毎月のゲームプレイ時間に応じて手当が支給される仕組みになっていて、お年玉くらいのちょっと嬉しい金額がもらえます。

当社では「このゲームをこれだけの時間やりました」という連絡にゲーム画面のスクリーンショットを添えて提出する形式で、どれだけゲームをやったかを毎週報告しているので、そこから判断しています。100時間というと「そんなにやれるのですか」とよく聞かれますが、毎月70%ぐらいのメンバーが100時間を突破しており、満額の手当をもらっています。

編集部

御社ならではの本当にユニークな制度だと思いますが、しっかり多くの方が活用されているのですね。

郷さん

そうですね。こういったユニークな制度は、「存在はするけれど活用されない」という会社さんも多いと聞きました。しかし当社の場合は、幹部社員も含めてしっかりとゲームをして、手当を申請していますね。

エンジニアだけは独自のインセンティブ制度が別にあるので対象外ですけれども、それ以外はアルバイトから部室長まで、すべてがゲーム手当の対象者です。

編集部

とても御社らしいと感じましたし、社内の皆さんの雰囲気や嗜好とリンクしているとも思いました。手当といえば、「リモートワーク手当」もあるそうですね。

郷さん

そうです。これはネット代だったり、水道代だったり、光熱費だったり、そういうところに充ててくださいというものです。

働き方についてメンバーからのポジティブな評価が多い

編集部

ゲーム手当のような福利厚生制度や、先ほど伺った働き方などについて、メンバーの方からのリアルな声としては、どんなものがあがっていますか。

郷さん

リモートワークについては、入社前は不安に感じられる方もいらっしゃいますが、業務が開始すると想像以上に円滑に進むので、問題なく受け入れていただいています。ゲーム手当については、やはりゲームが好きだからという理由で入社した方が非常に多いので、ものすごく好意的に受け取られていると思います。活用頻度を見ても本当にそうだと感じます。

当社の場合、ゲームプレイを通して得られる知識が業務に活かされますし、結果として自社へのロイヤリティのアップや、ユーザー心理および業界への理解につながるんです。

編集部

GameWithさんに入社されるのは当然ながらゲームが好きな方がほとんどだと思いますが、趣味ではなく業務になってしまうとモチベーションが落ちることもあるのかなと考えていました。ゲームを継続して楽しめる仕組みをつくっていることで、本人の気持ちとしても仕事としても良い影響があるということですね。

人事評価にも組み込むほど「バリュー」を重視

株式会社GameWithの社内で雑談する社員

編集部

御社のカルチャーとして、社員を評価される際に重視していることは何でしょうか。

郷さん

弊社のミッション・ビジョン・バリューを体現できているかという点は重視しています。特にバリューについては、半期ごとに実施している人事評価制度にも明確に組み込んでいるほどです。バリューを体現できたかどうかを、人事評価制度としてきちんと反映できるようになっています。

■GameWithさんの企業理念(MVV:ミッション・ビジョン・バリュー)
ミッション「ゲームをより楽しめる世界を創る」
ビジョン「世界のゲームインフラになる」
バリュー
「Best Effort,for Customer/顧客に最高のサービスを届けるための努力を怠らないようにしよう」
「Be Honest “TAIGI”Driven/誠実かつ大義ある仕事をしよう」
「Think Why,Change the Rule/既成概念に囚われることなく、ルールや背景の理由を考えよう。そして、必要であればより良いものへと作り変えよう」
※GameWithさんの「会社紹介資料」(https://recruit.gamewith.co.jp/)から引用

編集部

リモートワークがメインだと、人事評価制度の策定にも工夫が必要になるのではないでしょうか。

郷さん

その通りです。人事評価制度に関しては、リモートワークを導入してから改めて見直しました。特にしっかりと伝えていることとしては「成果重視で評価します」という部分ですね。プライベートで楽しむゲームを業務に生かすことができたり、リモートワークによる自由度の高さがある一方で、成果をしっかりと出しましょうということを、会社として明確に伝えています。

また、成果の達成をサポートするための仕組みとしては「進捗確認ミーティング」を導入しています。これは毎月1回上長と1対1で目標達成に向けたコミュニケーションを行うものです。

編集部

単に成果を追求するだけではなく、いかにすれば達成できるのかについて、会社としてフォローしてくれるわけですね。これは心強いでしょうね。

ライター&ディレクター向け業務に適した評価制度を別途導入

編集部

成果を出すことを重視するのは、社員全員に対してでしょうか。

郷さん

会社としては基本的に成果重視を打ち出しているのですが、少し複雑なケースもあるんです。弊社にはゲームライターやゲーム攻略のディレクターなどがいて、その職種では基本的にゲームが上手くないと業務が進みません。

ゲームを進めるスピードが速いから記事を多く書けることや、ゲームプレイが上手いから同レベルのユーザーが満足できるクオリティの記事が提供できるという面があるのですね。ですから、数字以外のゲームスキルもきちんと加味しないと、なかなか評価しづらいということになります。

また、他社がリリースしているゲームの記事執筆が弊社の主力事業のひとつですが、求める成果を数字だけにしてしまうと、「そのゲームがどれだけ更新されるのか」「どれだけ人気になるのか」という、我々ではコントロールし得ない要素に大きく影響されてしまいます。

編集部

そのジレンマを解消するために、どんなことをされたのでしょうか。

郷さん

2021年12月に「GameWith Contents Studio」という子会社を設立し、ゲームスキルを評価制度に組み込んだ新しい人事評価制度を適用しています。

簡単にいうと、成果だけではなくプロセスもしっかりと重視するということですね。「こういうことをやります」というプロセスを提示し、それが達成できたかどうかを重視するという独自の評価制度を作ったという感じです。本社側の人事評価制度と、ディレクター&ライター向けの制度は明確に分けていますね。

編集部

リモートワークの導入に伴い評価制度を一新され、そこからさらに個別の条件や環境に応じたバージョンアップを施されたということなんですね。個々の社員を正しく評価するために、すごく柔軟に対応されているのだなと感じました。

ミッションに共感していただける方に入社してほしい

株式会社GameWithの人事部長・郷さん

編集部

最後に、この記事を読んで御社に興味を持った方に、メッセージをお願いします。

郷さん

やはりゲームが好きであるとか、ゲームというものの価値を変えたいというマインドを持っていらっしゃる方は、GameWithにすごく合っていると思いますし、楽しんで働いていただけると思います。

GameWithは、ミッションやビジョンで掲げているように「ゲームをより楽しめる世界を創る」「世界のゲームのインフラになる」いう言葉を体現している会社です。それに共感いただける方でしたら、入社後は会社と個人で同じ目標を持ち、共感した想いをそのまま実践できる状況になるはずです。

私たちのゲームに対する想いに共感していただける方は、ぜひ応募していただきたいです。

編集部

本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社GameWith:https://gamewith.co.jp/
採用ページ:https://recruit.gamewith.co.jp/