占いと同様に「人の気持ちに寄り添う」cocoloniの働き方とは

独自の制度や魅力を持つ企業にインタビューを実施し、その働き方などについてお伝えしていくこの企画。今回は、占いという分野でさまざまなサービスを提供している「株式会社cocoloni」を取材させていただきました。

株式会社cocoloniとは

「株式会社cocoloni」は、占いに関するデジタルコンテンツ制作や、チャット・電話によるオンライン占いを主な事業としている企業です。伝統的なイメージがある占いという分野において、デジタルの領域に幅を広げたサービスを提供しています。

もともとは占いにまつわるコンテンツを多数提供していた「株式会社ザッパラス」内の事業部署を分社化して設立されたため、現在でも同じオフィスを利用しているほか、グループ会社として近い関係性で日常的にやり取りをしながら仕事をしています。

会社名 株式会社cocoloni
住所 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-51-7 PORTAL POINT HARAJUKU ANNEX 3階
事業内容 コンテンツ企画・制作・運営、オンライン鑑定サービス、アライアンス事業
設立 2018年9月7日
公式ページ https://cocoloni.com/

そんな株式会社cocoloniの大切にしている理念やメンバーの皆さんの働き方、また「変人大歓迎」という採用方針について、PR担当である近藤さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社cocoloniのPR担当である近藤さん

株式会社cocoloni
PR担当

近藤茜さん

デジタル・リアルの両面で、人を元気にする占いサービスを提供

株式会社cocoloniの提供サービス・運営メディアの一例
▲「cocoloni 占い館 Sun」など、cocoloniさんが提供しているサービスやコンテンツの一例。

編集部

まず、cocoloniさんの事業内容についてお教えいただければと思います。

近藤さん

私たちは、占いを通してたくさんの方に元気になっていただくためのサービスを提供しています。占い師が監修するウェブサイト制作などのデジタルコンテンツ事業に加え、占い師の派遣や占いイベント開催などリアルに鑑定していただく場もセッティングしています。

その他に、離れていてもチャットや電話を使って1対1で鑑定してもらうことが可能なオンライン占い事業や、メディア・企業向けに占いのコンテンツを提供する法人向けサービスなど、「占いに関する事業はお任せください」という感じで、手広く展開していますね。

編集部

ふとしたときに見てしまう占いサイトの運営から、テレビに出演するような占い師の方のキャスティングまで、cocoloniさんが関わっているんですね。

近藤さん

そうですね。私たちは占いをしたい方のシチュエーションやライフステージにあわせて、使用するデバイスなどは関係なく求める占いにたどり着いていただけるよう、あらゆる方法を提供していきたいと思っています。

だからこそ、ウェブサイトやアプリなどのデジタルコンテンツやチャット占い、電話占い、メール占い、対面鑑定、さらには企業様が開催する占いイベントのお手伝いや雑誌の占いコーナーへのコンテンツ提供など、本当にさまざまなサービスを提供しています。

占いを求める人は色んなお悩みを抱えていたり、複雑な状況にあったりします。だからこそお一人お一人に寄り添えるよう、どれかひとつのサービスに注力するのではなく、すべてのサービスに妥協せず運営しているんです。

デジタルの仕事をしていると、数万から数十万というお客さんにアクセスしていただくことはよくあることですが、これを単なる数字として扱うことはありません。デバイスの向こう側にはひとりの人間がいるという考え方が会社の根底にあるため、日々丁寧な運用を全社員がこころがけております。

編集部

スマートフォンを持つ方が大半になった時代なのでデジタルの領域に力を入れているとは思うのですが、占いを求める人にリーチするため、範囲を限定せずに事業を広げているんですね。

占いは「信頼第一」。人の気持ちに寄り添うことが重要

株式会社cocoloniのオンライン占いサービスの実施風景
▲オンライン占いサービスを実施しているようす。占い師さんの魅力を伝えることもcocoloniさんの仕事です。

編集部

「占い」という分野でビジネスをする上で、大事にしていることはあるでしょうか。

近藤さん

よく同僚とも話すんですが、「お客様に安心して使ってもらえる占いサービスを提供したいということは常に頭の片隅に置いていますし、それは弊社のブランドステートメントでもあります。

cocoloniは、お客さんからの信頼を第一に考えています。そのために占い師の皆さんともしっかりコミュニケーションを取りながら、占いのロジックを理解し、正しくお客さんに伝わるよう意識しています。

そして、占いをデジタルコンテンツにする際は、関わるメンバーの全員が「占い師さんが大切にしている考え方を丁寧に再現してサービスを制作し、お客さんに届ける!」という熱い思いを持って取り組んでいますね。ご利用いただいたお客さんの心に触れられるサービスを提供できたらと思っています。

編集部

cocoloniさんがどういう想いで仕事に取り組んでおられるか、すごくよくわかりました。占いはお客さんのためにあるということなんですね。

近藤さん

はい。占いは、合理的で間違いのない「正解」をお伝えするものではないと思うんです。私たちの仕事は、「こんなことで悩んでいるから占ってほしい」という人に対して、どんなお声がけをしたら元気になってもらえるかを考えることが大切だと思います。

その人の感情を想像して寄り添うことを大切にしていますので、占い師さんとも協力して、少しでも良いサービスを届けられるよう努力しています。

編集部

なるほど…。「占いとはどういうものか」という考えが変わりました。オンライン・オフライン問わずどのような形でもお客さんを元気づけるために、占い師の方の意図を理解した上で熱意を持ってサービスを制作しておられるんですね。

助け合えるマインドのもとで、リモート・出社を自由に選択

株式会社cocoloniのオフィス内観

編集部

次に、cocoloniさんの勤務体系についてお聞かせいただければありがたいです。

近藤さん

勤務時間は基本的に10時〜19時(休憩1時間)の設定で、出社と在宅の選択は自由です。比率としてはリモートが多いですが、会社としては特にどの勤務形態を推奨するということはないので、ユニットによっては「週1で出社してミーティングしよう」などと決めているようです。みなさん、うまくバランスを取られています。

理想としては、私たちは「自立したプロフェッショナルな集団」であるべきだと思っているんです。プロとして一番能力が発揮できる場所で働けばよいので、オフィスのほうがパフォーマンスが上がるなら、もちろん出社してもまったく問題ないわけです。

ただ、単純に出社しなくて良いということではありません。「自分自身で業務を管理し遂行できるのであれば在宅も可能」というニュアンスが近いと思います。

この仕組みにしたのは2020年2月下旬です。ご存知のとおり社会が大きく変化したタイミングで、弊社はかなり早めに働き方を変えて対応したほうだと思います。いろいろと試行錯誤しながら、メンバーの意見を取り入れて調整を続けている感じです。

編集部

リモートワークは各メンバーの自主的な働きに委ねる部分も大きいかと思いますが、導入することに不安はなかったのでしょうか。

近藤さん

不安がなかったとは言いませんが、cocoloniのメンバーのマインドがあれば大丈夫かな、と思っていましたね。

私たちは占いという特殊な業界にいて、かつ「BtoC」の仕事をしているわけじゃないですか。なので、他人の気持ちを想像することは日常的におこなっていますし、お客さんが困っていたら「どうされました?」とすぐに声をかけます。そのマインドは社内のやり取りでも発揮されるので、比較的スムーズに移行することができました。

編集部

リモートワークの導入時は苦労される企業も多いかと思いますが、cocoloniさんは「占い」という事業を手掛けていることもあって、オンラインであっても助け合える文化ができていたんですね。新しく入社される方にとっても、既存のメンバーに共通してそのようなマインドがあるというのは、すごく安心できそうです。

情報をオープンにする仕組みで、メンバー間のギャップを作らない

株式会社cocoloniのオフィスでオンラインミーティングをする社員の方

編集部

メンバー間の情報共有やコミュニケーションにおいて、工夫されている点はありますか?

近藤さん

普段のやり取りはSlackによるテキストコミュニケーションがメインなのですが、工夫としては基本的にダイレクトメッセージを使わず、情報をオープンにするようにしています。元々のオフィスもワークスペースや打ち合わせスペースなどがかなり開放的で声がかけやすい雰囲気だったので、その考え方がそのまま引き継がれている感じです。

情報共有という点でいうと、リモート導入前から運用しているConfluenceも好評ですね。いわゆる社内掲示板なのですが、これまでのマニュアルやナレッジ等が網羅されているので、新しいメンバーも平等に情報を得ることができます。そこでわからないことは、Slackの専用チャンネルで質問すればすぐに回答が返ってくるという環境です。

編集部

異なるチームのメンバーと交流する機会はあるのでしょうか。

近藤さん

まさに今期から取り入れているのは、月1回の定例会での担当者をシャッフルする仕組みですね。定例会では各チームから選ばれた担当が協力しながら発表等をおこなうのですが、担当者を全チームから完全にランダムに決定することで、今まで話したことのないメンバーとコミュニケーションを取ることができています。

リモートワークになる前に在籍していたメンバー同士だとその人のキャラクターもわかっているのですが、特に新しく入った人がいると、お互いが「どんな人で、どんな仕事の進め方をするんだろう」って不安になるじゃないですか。

今は違うユニットメンバーと話すチャンスがあって、そこから別のユニットの事情を知ることができますし、意外な共通点を見つけて仲良くなったりと、かなり風通しがよくなったように感じています。

編集部

今まで話したことがない方とコミュニケーションを取って、雑談なども含めてその人のキャラクターを知ることができると、その後の仕事面でも役立ちそうですね。

育休の復帰率100%!制度の活用を促す「雰囲気」がある

編集部

その他、福利厚生や働き方に関する制度としては、cocoloniさんの特徴は何かあるのでしょうか。

近藤さん

育児をしているメンバーへの支援は手厚いと思いますね。世代的に育児中のメンバーが多いこともあり、男女問わず毎年一定数が育休や産休を取っていますし、育休からの復帰率は100%です。また、お子さんが小さいうちは時短で働くことも可能です。

リモートをうまく活用しながら、子育てしつつユニットのリーダーをしている女性メンバーもいるので、すごく働きやすい環境だと思います。他にも、お子さんを連れて数日間実家に帰って勤務しているメンバーを見かけることもあります。

今後は介護をしながら勤務するようなケースも出てくると思うので、個人の事情にあわせて柔軟に働けるよう制度を設計しています。

編集部

そのような制度にしているのも、メンバーの皆さんに能力を発揮してもらうためなのでしょうか。

近藤さん

そうですね…。というより、基本的な考え方として、メンバーを支援する制度そのものを目立たせたいわけではないんです。

私たちは「占い」を生業にしています。ではいったい占いとは何なのかと考えてみると、一概には言えませんが、この社会に生きる人の多様性を認めること、人には根本的に弱い部分があるのを認めることなんじゃないかと思うんです。この業界に携わっている以上、人はそもそも完璧ではないし、働けなくなるような事態がいつ起きるかわからないという前提を、メンバーが共通して持っているんです。

だからcocoloniには、有給にせよ育休にせよ産休にせよ「取得することはとくだん特別なことではない」という空気感があります。お休み明けでも時短社員でも特別視されることなくフラットに働けているところが弊社の特徴であり、良いところかなと思います。

編集部

ありがとうございます。占いという事業に携わっているからこそ、メンバーを含めたすべての人にそれぞれの事情があることが想像できるので、各種制度を利用することも当然という考え方になっているんですね。

育児中、もしくはこれから育児をする求職者も、「育休制度があります」よりは「育休を取ることが当たり前の雰囲気です」という企業のほうに良い印象を抱くのではないでしょうか。

社内にはタロット占いができるメンバーも!

株式会社cocoloniのオフィスで業務中の社員の方

編集部

率直な質問なんですが、メンバーの皆様も占いに対する知識はあるのでしょうか。

近藤さん

はい。入社前は占い自体にそこまで詳しくない人も多いのですが、入社後は東洋・西洋のメジャーな占いについての講座を受講することになっています。また、企画を立てるときには担当する占い師さんの書籍を読んで勉強もしているので、基本的な知識はみんな持っていますし、中にはタロット占いができるメンバーもいますね(笑)。

編集部

それはすごいですね!タイプとしては、どのようなメンバーが多いと感じていらっしゃいますか?

近藤さん

cocoloniには正社員以外にもアルバイトや派遣社員、また副業として参加しているメンバーもいますが、共通して感じるのは「誠実さ」ですね。占いという仕事の向こうには、占ってくださる先生や、脈々と続いてきた何百年、何千年という占術の歴史があります。みんな、それをちゃんと汲み取ろうとしているんです。

あと、新しく入ったメンバーからは「すごく話しやすい、意見を出しやすい」という感想もよく聞きます。私も全然違う業界から入社して同じように思ったのですが、それぞれの意見を尊重し合いながらも、問題提起をするときはちゃんと伝えるという印象があります。

編集部

なるほど。皆さんが占いという文化に真剣に向き合い、仕事をされているんですね。また、ときにはメンバー同士で占いもしながら(笑)、活発に意見を出し合えるカルチャーもあるということですね。

占いの知識はなくてもOK。「変人」を大募集中

株式会社cocoloniのオフィス外観

編集部

最後に、採用についてお話を伺えればと思います。先ほどお話しいただいたとおり、応募に際しては占いに関する知識が必須というわけではないんですよね?

近藤さん

もちろんです。知識は入社後に身につけていただければ大丈夫ですし、そもそも占い好きな人ばかり集まると「濃くなってしまう」ので、それを避けるという意味合いもあります。

たとえば自動車メーカーの採用でも、ものすごく車が好きな人ばかり集めるということはないと思うんですね。「とにかくエンジン音にこだわる」「車体の独特のフォルムを見てもらう」という観点だけで車を作ることはおそらくなくて、燃費や安全性など一般の方が興味を持つ点をまず考えるはずです。

占いの事業でもそれは一緒で、「普通のお客さんはこういうことが気になる」ということがわかるように、一般的な視点を持っているほうが望ましいんです。

編集部

一般的な視点を持っていること以外には、重視しているポイントはありますか?

近藤さん

まず、応募者のスキルや能力面を最重要視しているということはないですね。むしろ必要なのは自分を律せることで、それが自分のキャリアのためでも家族のためでもお金のためでも何でもよいのですが、自分が大切にするもののために自律自走して働ける人というのは前提になるかもしれません。

私たちが一番重視するのは、占いの根底である「多様性を認めること」「人の弱さを認めること」について、ちゃんと尊重できる人であるかどうかです。自分以外の人の価値観、考え方を尊重できる人と一緒に仕事がしたくて、逆に言うとそこさえクリアできていればいろんな方に来てほしいです。

それぞれ異なったタイプの人がいたほうが会社が強くなることは間違いないので、cocoloniは変人大歓迎です!

編集部

変人大歓迎、すごくいい言葉ですね。cocoloniさんの事業であり、大事にされている「占い」のベースにある考え方を理解し尊重できていれば、あとは変わった経歴などをお持ちの人も歓迎しているんですね。

占いに対する考え方についても、すごく勉強になりました。本日はありがとうございました!

■取材協力
株式会社cocoloni:https://cocoloni.com/
採用情報:https://cocoloni.recruitment.jp/