ロイヤル顧客に向き合う株式会社Asobicaの急成長を支える企業カルチャーとは

さまざまな企業の先進的な働き方や若手社員活躍の秘訣に迫るこの企画。今回はロイヤル顧客プラットフォーム「coorum(コーラム)」を提供する株式会社Asobica(アソビカ)にインタビューを行いました。

株式会社Asobicaとは

株式会社Asobicaは、カスタマーサクセス領域で急成長を続けるスタートアップ企業です。コミュニティ運営から顧客分析までをワンストップで行い、顧客起点のPDCAを可能にするロイヤル顧客プラットフォーム「coorum(コーラム)」の開発・運営を行っています。

※ロイヤル顧客…利用頻度、リピート率、継続期間の良い顧客のうち、商品や企業に対する熱量の高い顧客のこと

会社名 株式会社Asobica
住所 東京都品川区西五反田二丁目27番3号
A-PLACE五反田ビル8F/9F
事業内容 ロイヤル顧客プラットフォーム「coorum(コーラム)」の開発・運営
設立 2018年2月
公式ページ https://asobica.co.jp/

2019年10月にリリースされたCoorumは時を経ずして既にナショナルクライアントを含む多くの企業に採用されており、2022年7月には27.2億円の資金調達を達成するなど、株式会社Asobicaは今まさに成長フェーズにあります。

今回は、株式会社Asobicaの成長を支える事業の強みや、若手社員の活躍を後押しする社内風土、そして採用において求めることなどについてお話を伺いました。

本日お話を伺った方
Asobicaのコーポレート部人事広報グループマネージャー木村様

株式会社Asobica
コーポレート部人事広報グループマネージャー

木村祥吾さん

マーケティングのあり方を変革するロイヤル顧客特化型プラットフォーム「coorum」

Asobicaの提供するcoorumのイメージ図
▲企業のロイヤル顧客の育成やLTV最大化に寄与する「coorum」

編集部

はじめに、Asobicaさんが運営されている「coorum(コーラム)」についてご説明いただけますでしょうか。

木村さん

「coorum」というプロダクトの前提にあるのが、「『商品・サービス』中心から『顧客』中心へ」というマーケティングのあり方の変化です。従来の企業のマーケティング活動というのは、商品やサービスを軸に展開されてきました。しかし少子高齢化や人口減少を背景に国内のマーケットは縮小傾向にあり、商品・サービス中心のマーケティング活動が頭打ちを迎えているのが現状です。

そこで大切になるのが「ロイヤル顧客」の考え方です。ロイヤル顧客は企業やサービス、ブランドの成長に欠かせません。なぜならパレートの法則(※)にあるように、企業の売上全体のおよそ8割を占めるのが、上位2割のロイヤル顧客によるものだからです。
※パレートの法則…全体の数値の8割は、全体を構成する要素のうちの2割の要素が生み出しているとする経済活動における考え方。

Asobicaが提供する「coorum」は、まさにそのロイヤル顧客の育成を主目的としたプラットフォームです。「coorum」はコミュニティを軸としてロイヤル顧客を育成しながら、その顧客データの蓄積・分析によりさらなるロイヤル顧客を生み出していくための施策実行までをワンストップで提供することができます。

これにより、企業様とユーザーの関係性の深化を図り、企業様の継続的な企業売り上げやLTV(※)の向上に貢献していくことが、「coorum」の目的です。
※LTV…Life Time Value(顧客生涯価値)の略。一人の顧客が、特定の企業と取り引きを開始してから終了するまでにどれだけの利益をもたらすのかを示す指標。

1年で433%の成長!それを支えるのは「お客様と向き合う」姿勢

Asobicaの打ち合わせ風景

編集部

Asobicaさんは2018年の創業後、名だたる企業様と取引されており、組織としても拡大を続けていらっしゃいますよね。実際の売り上げ規模や人員数などはどのように変化されているかお聞きしてもよろしいでしょうか。

木村さん

MRR(月次経常収益)は、直近1年で433%成長、従業員も1年で2倍近くに増えていますね。

編集部

すごい数字ですね!多くの企業様にAsobicaさんのプロダクトが受け入れられる理由は何なのでしょうか?

木村さん

弊社が立ち上げから間もなくして成長できた要因の一つは、ブルーオーシャンに飛び込んだことです。

国内の人口減少が進む中で、それに反発するかのように新たなサービスが増えています。新規顧客の獲得コストも高まる一方で、お客様を起点としたマーケティング活動の重要性が高まってきたこともあり、現在、日に日に注目度も上がってきていると考えています。

そういった背景もあり、弊社が提供しているcoorumの機能的ニーズも徐々に高まり、導入企業も増えていったと考えています。

編集部

coorumの機能面で、Asobicaさんならではの強みは何でしょうか?

木村さん

coorumの分析機能は大きな強みだと考えます。コミュニティ内での行動を深く分析できるため、より顧客の解像度を高めることができるのは、顧客起点のマーケティングを考える上でポジティブな要素なのではないでしょうか。

もうひとつ、Asobicaの組織面も特徴です。Asobicaの従業員比率の内、約30%がカスタマーサクセスという、お客様の伴走支援を行うメンバーで構成されています。そこもAsobicaの「お客様に向き合う姿勢」を大切にしていることが表れているポイントです。

編集部

coorumが企業と顧客とのつながりを深めることを支援するプロダクトだからこそ、Asobicaさん自身もお客様にしっかりと向き合うことを大切にされているんですね。それが組織づくりにも表れていることが伝わりました。

20代でも部門長に。若手社員活躍の鍵は入社時の価値観共有

Asobicaのミッション・ビジョン
▲Asobicaさんの掲げるミッション・ビジョン(公式サイトから引用)

編集部

Asobicaさんでは多くの若手社員の方が活躍されていると伺いました。実際に若くして表彰されたり役職に就いていらっしゃる方などはいるのでしょうか?

木村さん

2023年4月現在、Asobicaには新卒入社したメンバーが7名程度おります。新卒社員の中には、インターンからそのまま社員として入社した社員も多くおります。

その新卒社員のうちの1人がプロダクト開発の部門長を任されていたり、新卒メンバーではないですが、20代にしてカスタマーサクセス部の責任者を担っているメンバーがいたりします。年齢に関係なく、成果を残し事業に貢献しているメンバーには、さまざまな役割を任せていくのがAsobicaの特徴ですね。

編集部

若手社員の方であっても、かなりめざましく活躍されているのですね。そういった成長を支えるフォロー体制はどのようなものがありますか?

木村さん

入社後のフォローももちろんですが、採用活動の時点で気を付けているのが大きいと思います。Asobicaの掲げるミッションやビジョンに共感いただけるか、それを体現するためのバリューを発揮できるかどうかを採用の段階で意識していますね。だからこそ、入社したときに大きなギャップが生まれづらいのではないでしょうか。

採用では「船に乗りたい人ではなく、船を造って漕ぎたい人」というメッセージをシンボルにしています。弊社が掲げているミッションにもある通り、「遊びのような熱狂で、世界を彩る」以前に自ら熱狂して働くことができるかといった点を意識しています。

もうひとつ大きいのが、入社したメンバーを各部門へ送り出す前に、全社のオンボーディングを必ず行っていることです。改めてAsobicaがどのようなことを目指しているのか、ミッションやビジョン、バリューはどういうものなのかを説明し、入り口の部分でズレが生じないよう注意しています。

編集部

なるほど。しっかりと価値観を共有しているからこそ、若手社員であっても、会社のめざす方向性に向けて力を発揮してもらうことができているんですね。

経営層から直接のフィードバックが若手の成長を加速させる

Asobicaの社内の様子
▲「距離の近さ」が若手社員の活躍を後押し

編集部

その他、若手社員の活躍エピソードなどがあれば教えてください。

木村さん

直近で申し上げると、2023年2月、Asobicaが創業5周年となるタイミングでメンバーが全国から集結し創業祭を行ったのですが、そのプロジェクト運営に新卒社員を抜擢しました。プロジェクトの進行管理から予算の使い方まで含めてすべて担ってもらいました。

参考:Asobica創業5周年記念イベント(公式note)

編集部

そのような大きなプロジェクトを若くして任せられるのはすごいですね!大変な部分も多いと思いますが、周囲からのサポート体制などもあるのでしょうか?

木村さん

創業祭に関しては私も多少のフォローはしましたが、これに限らず基本的には手取り足取り1から教えることはほとんどありません。あくまで自分たちの考えで動いてもらうということを大事にしています。

Asobicaの特徴に、新卒社員であっても経営層のメンバーとの距離が非常に近いということがあります。Asobicaが組織として成長段階にある今だからこそ、メンバーが経営層とコミュニケーションを取り、経営層が考えていることをダイレクトに感じられるのは大きなメリットだと考えています。

例えば私が間に入って経営層の意見を伝えることも一つの方法だとは思いますが、直接経営から受けるフィードバックと、間に私が入って受けるフィードバックには非常に大きな差があると思っています。

「経営はこういうところを見ているんだ、それなら次はここを意識しよう」というように、経営層とのダイレクトコミュニケーションがアウトプットの底上げにつながっていくと考えています。

編集部

若手社員の教育を教育係に任せず、経営層の方も含めて関わっていらっしゃるのは素晴らしいと思います。

木村さん

ありがとうございます。Asobicaでは役職にこだわらず、組織を良くするために、各人ができるサポートを積極的に行う文化があるのかもしれません。

編集部

経営層も含めてみんなで成長を支えながら、なおかつ若手社員自身の考えも尊重しているからこそ、若手社員の方の活躍が広がっているのですね。

活躍する人に徹底されている「5つのバリュー」

Asobicaの5つのバリュー

編集部

先ほど、Asobicaさんでは採用活動の段階でミッションやビジョン、バリューを非常に重視されているとおっしゃっていましたよね。この辺りは人事評価にも関係するのでしょうか?

木村さん

はい。Asobicaの評価は5つのバリューが評価軸となっています。

主観も含めた私の考えですが、Asobicaというのはワンチームであり、誰かが困っていたり協力を求めていたりしたら、組織の枠組みを飛び越えて協力していく姿勢のあるメンバーが評価されている気がしています。

当事者意識を生む「大事なことはみんなで決める」カルチャー

Asobicaの社内風景

編集部

Asobicaさんではメンバー全員が当事者意識を持てるように工夫していることなどはありますか?

木村さん

Asobicaでは「大事なことはみんなで決めよう」というカルチャーを大切にしています。

たとえば会社のミッションやビジョンを検討する際も、一方的に経営がトップダウンで発表するのではなく、全員でプロジェクトとして推進し、決定したという経緯があります。

ミッションだけに限った話ではないのですが、「Asobicaという組織は全員で作るもの」という考えを持っているからこそ、みんなが当事者として参加しながら決めていくことを大切にしています。

編集部

会社の重要事項の決定に参画できることで、組織をなす一員であるという当事者意識が浸透するのですね。

木村さん

そうですね、組織づくりにおいてそこはすごく重要だと思います。やはり組織が大きくなる程センターピンからずれていくメンバーは多くなりますよね。それを実感したときにモチベーションの低下や、ひいては組織自体から離れていくことにもつながってしまうのではないでしょうか。

組織づくりにおいて、自分の言葉や意見が常に組織の中心に届く仕組みを重要視しており、これからも継続していきたいと考えています。

編集部

「みんなが当事者意識を持ち、組織が一枚岩になっていること」、それがAsobicaさんの成長を支えているのだと伝わってきました。

求める人材は「わくわくしてチャレンジできる」「人を巻き込める」人

Asobicaの人事グループマネジャー木村様

編集部

最後に、Asobicaさんに興味を持った求職者の方へのメッセージをお願いします。

木村さん

Asobicaが採用にあたり大事にしていることは2つあります。1つは、Asobicaが掲げる高い目標に対し、わくわくしてチャレンジできるか。もう1つは、人を巻き込み物事を進めていけるかです。

Asobicaにはそれができる環境があります。その2つを聞いたときに、高ぶる何かを感じていただける方は、少なからずAsobicaのフェーズにはマッチすると思っています。

編集部

今回お話を伺い、Asobicaさんのめざす方向性に向かってワンチームで進んでいるからこそ、多くの人に愛されるプロダクトを生むことができているのだと感じました。本日はお忙しい中、ありがとうございました!

■取材協力
株式会社Asobica:https://asobica.co.jp/
採用ページ:https://asobica.notion.site/Asobica-Recruiting-Page-de9dd309d2604b1986dfad8942d99b7e