未経験から貿易事務に転職するには?英語のスキル別に見る求人の探し方
人気の事務職の中でも専門知識を必要とする貿易事務ですが、前の記事では、仕事内容ややりがい、お給料、向いている人物像などについて詳しくお伝えしました。
今回は、未経験から貿易事務の仕事に転職するためのノウハウをお伝えします。
- 未経験から貿易事務の仕事に就く方法
- 未経験OKの求人の探し方
- 貿易事務を目指すために勉強しておきたいこと
- 貿易事務のキャリアプラン
など、具体的な情報を紹介していきますよ!

貿易事務のベテラン、相澤さんにいろいろお話を聞かせてもらいます!
よろしくお願いします。
貿易事務の求人に多い3つの雇用形態


貿易事務の求人は、どんな雇用形態での募集が多いのでしょうか?
よく見るのは正社員と派遣社員ですね。アルバイトでの募集もありますよ。
貿易事務の正社員の求人例
転職を考える場合、やはり正社員採用を狙いたい人は多いですよね。実際の求人例を見てみましょう。
業務内容
【輸入業務】
- 書類作成、各種手続き
- 税関への書類提出
- 税関での立ち会い
- データ入力
【輸出業務】
- 書類作成、各種手続き
- 見積作成
- 海外代理店、現地顧客との連絡、問い合わせ対応
給与
20万~40万円
※経験、年齢、資格などによる
手当・待遇
- 昇給あり
- 交通費支給
- 時間外手当
- 資格手当
勤務時間
9:00~18:00
条件
- コミュニケーション能力がある方
- 向上心がある方
- 英語スキル、通関士資格などがある方歓迎

やっぱり資格がある人は優遇されるのでしょうか?
会社にもよります。ただ、有資格者の方が応募できる求人数は増えますよ。
貿易事務の派遣社員の求人例
貿易事務は派遣社員の求人が結構多いことも特徴です。
業務内容
- 書類作成
- 輸出入スケジュール調整
- 顧客・代理店対応
給与
1,500~1,800円
手当・待遇
- 交通費支給
- 社会保険
- 有給休暇
勤務時間
9:00~18:00
条件
- パソコンの基本操作ができる人
- 英語の読み書きができる人
紹介予定派遣なら貿易事務が自分に合っているのか、希望の働き方ができる職場なのかなどもわかります。

紹介予定派遣とは最長6カ月の派遣期間が終了した後、派遣社員と派遣先、双方の合意の元で正社員や契約社員になれる制度です!
ただ、貿易事務の紹介予定派遣は経験者のみとしている会社も多いんです。最初は派遣社員として経験を積んだ上で、紹介予定派遣の求人を探すのもひとつの方法ですね。
貿易事務のアルバイトの求人例
少なめですが、貿易事務ではアルバイトの求人もあります。
業務内容
- 契約書作成
- データ入力
- 商品の輸出入管理
給与
時給1,000円
手当・待遇
交通費支給
勤務時間
10~19時(1日4時間から)
条件
- パソコンスキルがある人
- 一般事務の経験がある人
- 英語の読み書きができる人優遇
アルバイトの場合は、会社によって任される仕事が結構変わります。求人を探す際は業務内容をしっかりチェックしておきたいですね。
貿易事務で未経験OKの求人を探すならインターネットの活用を
どの雇用形態でもインターネットを活用するのが一番早いです。
正社員ならハローワークやマイナビ転職、派遣社員ならリクナビ派遣などが有名ですね。1つのサイトで幅広く探したいならIndeedや、はたらこねっとなどもおすすめです。
https://www.hellowork.careers/
https://tenshoku.mynavi.jp/
https://haken.rikunabi.com/
https://jp.indeed.com/
https://www.hatarako.net/<

ハローワークの場合、応募するのにハローワークの紹介状が必要になります。所轄のハローワークで求職申し込みをしてハローワークカードを発行してもらいましょう!
その他の転職サイトや派遣サイトでも、会員登録を済ませないと応募はできません。ひとまず、さまざまな求人情報をチェックして、良さそうな求人があるサイトに登録すると良いですよ。
未経験OKの貿易事務の求人は英語スキル別で探す


どうすれば未経験からの貿易事務でも採用されるのでしょうか。
現時点でのスキルと経験で、求人を探すポイントは変わってきますね。
これまで正社員、派遣社員、アルバイトと求人例を見てきました。どの雇用形態でも、英語スキルを求められるケースが多いことに気付きましたか?
未経験OKの求人を探す場合は、求められる英語スキルを基準にすると良いです。英語スキル別に、求人探しのポイントを解説していきましょう。
読み書きも英会話も問題ないレベル
ヒアリング、リーディング、ライティング、スピーキングの4点で問題がない人は、貿易事務が未経験でも十分、正社員採用が狙えます。
スピーキングでのコミュニケーションが必要になるのは、商社やメーカーなどです。海外クライアントとの納期交渉や取引を行うため、英語力も高いレベルが求められます。
留学経験がある、貿易事務ではないものの英語での接客経験がある、TOEIC700点以上を取っている人などはチャレンジしてみましょう。
読み書きができるレベル
英会話には自信がないものの読み書きができるレベルなら、正社員採用の可能性は高くなります。海貨業者ならスピーキングによるコミュニケーションは発生しません。
海貨業者とは、商社やメーカーの輸出入を代行する業者のことです。日本の商社やメーカー、船会社、倉庫会社、税関などが取引相手です。
英語のビジネス文書が理解できる、英文メールのやり取りができる人は、商社やメーカー以外で、スピーキングが必要ない会社を探しましょう。だいたい、求人条件が「英語の読み書きができる人」となっていますよ。
英語がまったくわからないレベル
実は、英語がまったくできなくても、貿易事務の仕事には就けます。やり取りの相手が日本のクライアントなら、英語をはじめとする外国語は必要ありません。
正社員の求人は数が少ないため、アルバイトや派遣社員の求人を探すと良いでしょう。やはり求人数は少ないですが、貿易会社の一般事務も英語力は必要とされません。
英語で貿易事務の専門用語さえ覚えれば、一般的な英語スキルは必要ないケースもあります。

貿易事務の仕事も、英語ができなくても大丈夫なこともあるんですね。
そうですね。ただ、英語はできた方が応募できる企業数は多くなりますよ。例えば、英語のスキルがあれば高卒OKと、学歴を問わない求人もあるんです。

貿易事務において語学力は大きな武器になるんですね!
未経験から貿易事務になるために勉強しておきたい基本スキル


未経験から貿易事務を始めるときに、勉強しておきたいスキルも知りたいです。
貿易事務で必要になる基本的なスキルは、事前に勉強しておくといいですね。
勉強しておきたいスキル1.英語
英会話はできなくても、読み書きができるくらいにはなっておくと良いでしょう。これから英語を勉強する人は、日商ビジネス英語検定の3級がおすすめ。
日商ビジネス英語検定とは、日本商工会議所が主催しているビジネス英語の検定試験です。3級はビジネス英語の基本レベルです。
英語での企画書、報告書、電子メールの作成方法や、貿易に関する基礎知識などを学べます。ライティングを重視している資格なので、貿易事務における英語の読み書きを覚えるにはうってつけですよ。
https://www.kentei.ne.jp/english
勉強しておきたいスキル2.パソコン
貿易事務が未経験でも、事務職の経験者やパソコンスキルがある人は優遇されるケースがあります。日本語でも英語でも正確に入力できる能力、タッチタイピングができて速く入力できる能力は重宝されます。
書類作成やデータ管理などではWordやExcelを使用します。基本操作はできるようにしておきたいところですね。
Microsoft Officeのスキルを証明するMOS資格を持っていると、パソコンスキルの証明になります。MOSは国際資格なので、取得しておけば外資系企業への転職でもアピールになりますよ。
https://mos.odyssey-com.co.jp/index.html
勉強しておきたいスキル3.貿易事務検定
貿易事務検定とは、貿易業務に関する知識を体系的に学べる検定試験です。国際実務マーケティング協会が主催しており、A級、B級、C級の3種類があります。
商談やマーケティング、契約など、貿易実務について幅広く学べるのがメリットです。貿易実務についてまったく知識がない人は、C級の勉強から始めると良いでしょう。
C級では、ワシントン条約に関する規制や日本の貿易の現状、貿易の流れや書類手続きなど、貿易実務に関する基本的な内容が学べます。会社によって実務内容は異なりますが、一度、体系的に学んでおけば、未経験でも大きな自信につながりますよ。
貿易事務のキャリアプランとは?収入UPの2つのポイント


貿易事務の仕事に就いた後のキャリアアップも気になりますよね?貿易事務の場合、お給料は上がるのでしょうか?
やはりスキルアップがカギになりますね。収入UPにつながる主な方法を2つ挙げていきましょう。
通関士の資格を取る
通関士は日本で唯一の貿易に関する国家資格です。実は受験資格がなく、誰でも受験できるんですよ。
通関士を取得するメリットは2つ
1つ目は、貿易事務の経験がなくても、通関士の資格を持っていれば応募OKという求人があることです。2つ目は、商社やメーカー、通関業者、流通会社など、さまざまな企業への就職、転職が期待できることです。
特に有利になるのは通関業者への転職です。通関業者は1つの営業所に有資格者を置く義務があり、通関士のニーズは高いです。
通関士の試験内容
通関業法や関税法、通関書類の作成要領などについて出題されます。合格率は10%代と少々低め。合格基準は各試験科目で、満点の60%以上です。
貿易事務の実務経験がない人でも受験できますが、経験を積んだ上で受験勉強を始めた方が、知識の習得はしやすいでしょう。
http://www.customs.go.jp/tsukanshi/
語学力を上げる
仕事で活かせる英語スキルの目安は、TOEICで600点以上、日商ビジネス英語検定で2級以上です。貿易事務として収入UPを図るなら、英語力の向上は欠かせません。
TOEIC
日本企業ではTOEICのスコアを参考に採用する傾向が高く、仕事で使える最低基準は600点からといわれています。英語で日常業務をこなせるようになるなら700点以上、ビジネスでの意思疎通や打ち合わせができるようになるなら800点以上を目指しましょう。
日商ビジネス英語検定
貿易事務で実際に役立つスキルは2級からです。より実務的なライティング能力を身に付けられますよ。1級は英語でのコミュニケーションやプレゼンテーションができるレベルです。
どの級も合格基準は70点以上です。試験時間は3級で30分、2級で40分、1級になると90分と長くなります。
英語以外の言葉について
貿易事務では英語でのやり取りが基本ですが、取引先によってはその他の国の言葉が必要になります。英語以外の言葉が使えれば、さらに転職先は広がるでしょう。
ちなみに、英語の次に貿易事務の求人で需要が多いのは中国語です。
長く働きたい人は未経験からでも貿易事務の求人をチェック!

未経験からでも貿易事務の仕事に就くことは可能です。ただし、最初から正社員採用を狙うなら、英語の読み書きはできるようにしておきたいですね。
また、キャリアアップを図るなら英語スキルの向上は欠かせません。転職しやすいように、通関士の資格取得も目指すと良いでしょう。

英語スキルに自信がなくても正社員採用してもらえる求人もあるから、求人情報はこまめにチェックすると良いですね!
転職活動に時間がかかりすぎるようなら、派遣社員やアルバイトから始めるのも手ですよ。事務職の中でも専門知識が必要になりますから、長く働きたい人にとって貿易事務はおすすめの職種です。ぜひ、求人情報をチェックしてみてくださいね。